その3〜床材とダニ〜

■誤解を生じやすいカーペット

床材を論じるには、ダニの問題を避けて通ることはできません。カーペットはダニの温床である、というセンセーショナルな報道等によって、カーペット業界は大きな打撃を被りました。
カーペットにはもともとダニはいませんが、カーペットにダニが生息しやすいことは事実です。しかし、だからといってカーペットのダニが各種アレルギー症状の原因なのかというと、そうではないのです。
最初は「川崎病」の原因として、カーペットのダニが疑われました。しかし、川崎病の原因はダニでないことが判明した時点で、カーペットに対する疑いも晴れました。次は「小児ぜんそく」でした。
小児ぜんそくアレルギーの主原因はダニであり、ダニはカーペットに多く生息するという報道がテレビや新聞で繰り返し報じられました。
小児科医の中には患者宅からカーペットの撤去をすすめる医者も少なくありませんでした。
しかし、これらの報道はいずれも誤報であり、医者も誤解していました。
ダニをアレルゲン(アレルギーの原因物質)とする小児ぜんそく患者は、患者が使用する寝具からダニを吸引することによってぜんそくの発作を起こすことが兵庫県西宮市の研究調査によって明らかになり、カーペットを木材に替えたからといってアレルギー対策が完了したわけではありません。
掃除を怠る家庭では床を何に替えてもダニ問題は解決しません。
最近では「アトピー性皮膚炎」です。
アトピー性皮膚炎の原因は食品添加物、衣料、金属物質、合成洗剤、空気汚染物質、ダニ、細菌、花粉、日光、汗、ストレス、遺伝子、体質、ライフスタイルなど、さまざまな原因が指摘されながらそのどれもが特定されて、しかも、これらが複合して発症するという説まで出ているのもかかわらず、またもやカーペットのダニが疑われたのです。
アトピーは世界中の医学関係者が研究してもなお原因が解明できていない難問だということを知りながら、ダニが疑わしいとする短絡的な報道には困ったもんです。
カーペット業界では平成5年11月に「カーペット関連団体ダニ対策A特別会議」を設置し、ダニとアトピー性皮膚炎との因果関係等を追求してきましたが、各種の実験を重ねても、アトピー性皮膚炎にダニが関与しているという結果は出ませんでした。
ダニアレルギー疾患を発症させないためのダニ除去基準として、こまめな掃除と喚気が大切です。
WHOでは、ほこり1g当たりチリダニ抗源の量を1μg以下と設定しています。そのためには少なくとも3日に1回は1平方メートル当たり20秒程度の掃除機をかけることが必要です。
さらにダニを繁殖させないためには掃除と換気をこまめに行うことが重要です。

■スウェーデンの例

カーペットがアレルギーを引き起こすという嫌疑はヨーロッパでもかけられました。
とくにスウェーデンが深刻で、同国ではカーペットの消費量が減少しました。しかし、そのスウェーデンでもカーペットへの疑いを晴らす調査結果が相次いで出され、現在ではカーペットに対する恐怖症はほぼ解消しています。
スウェーデンにおける調査結果の骨子は次のとおりです。

1. スウェーデンでは、カーペット敷きの学校と硬質床の学校とでは硬質床の学校の方がアレルギー患者が多いことが判明しました。

2. スウェーデンの統計によると、同国の床材市場では過去20年間以上にわたってカーペットの施工面積が下がり続け、硬質床材が増え続けましたが、それでもこの期間にアレルギー患者数は激増しました。

ダニは清潔な環境が苦手です。換気をよくし、丹念に掃除すればダニは生息できません。

「カーペットはすばらしい」
(発行:日本カーペット工業組合・株式会社インテリアファブリックス協会・日本化学繊維協会)より抜粋

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